F-FWDは”輪行が出来てそこそこ速いリカンベント”という要件で選定して購入し、週末のサイクリングやブルベで活躍していたわけですが、より速く遠くに走ろうとした場合にどうにもポジションがぴたりと決まりません。
F-FWDはシートの角度を3段階に調節できるのですが、上半身が落ち着いて快適なのは一番寝かせた角度(21°)か真ん中(25°)の角度です。ですが、この設定だと股関節が開き過ぎてペダリングの出力が上がりません。一番起こした角度(29°)なら良い感じでペダリングが出来ますが、身体が前にずれていって落ち着きません。
ここでざっくりとリカンベントに乗らない人向けに説明。リカンベントのシートは起こすとロードバイクで言うとより前傾した状態と一緒で出力を上げやすくなります。寝かせると空力は良くなりますが、出力は上げにくくなります。ロードバイクは出力を上げるポジションにすると空力も良くなりますが、リカンベントは出力を上げると空力で不利になり、空力を取れば出力が犠牲になるわけです。じゃぁどうやって空力と出力を両立させるかと言うと…BBがより高くなるようにフレームを設計します。BBが高くなれば、同じシートの角度でも股関節の角度がより深くなり出力が上がるわけです。凄く雑に要約すると、ロードバイクは攻める程にハンドルがサドルより低くなり、リカンベントは攻める程にBBがシートより高くなるわけです。
問題点は洗い出せたので、F-FWDを購入したときと同じようにニューバイクの要件をまとめます。
- ツアラーやコンフォート的な性格ではなくレーサー的な性格
- シートの角度は20°~25°程度
- 上記のシート角度に設定した際の股関節の角度が、F-FWDでシートを29°に設定した場合と同程度
- 乗降性の面からミッドレーサーかローレーサー(ハイレーサーのフレームを跨ぐのがちょっとしんどい)
ということで、目ぼしいモデルをピックアップして要件を満たすジオメトリのバイクを絞ります。候補は
- HPV Speedmachine
- Challenge Fujin Suspension
- Challenge Fujin SL1
- Challenge Fujin SL2
- Raptobike LOW Racer
- Performer X-Low
この辺り。シート角度、シート高、BB高から股関節の角度を計算するExcelシートを作ってぽちぽちと入力していきます。
本当はOptima Baronも候補に入れたかったのですが、現在Optimaはリカンベントの生産を休止しているとのことで入手が困難です。HPV Speedmachineはシート角度で除外。他は概ね140°前後になっていますね。Performer X-Lowは角度が浅くシートも寝ているので除外です。RaptobikeはF-FWDと同形式の前輪駆動でキャラクターが被るので除外。で、残ったのがFujin。フレームの造形がとても綺麗で趣味にも合います。
どのFujinにするの?というお話。メーカーサイトを見るとFujinには以下のバリエーションがあります。
- Fujin Tour
- Fujin Suspension
- Fujin SL1
- Fujin SL2
Fujin Tourは毛色が違うので除外。残るモデルのスペックを見た感じ、Fujin Suspensionは名前の通りサスペンション付き、SL1はサスペンションを省いた軽量モデル、SL2は更にカーボンシートとカーボンブームで軽量化したモデル、という棲み分けのようです。
SL2のカーボンシートはオプションのリアキャリアが使えませんし、カーボンブームは取り扱いに神経質になりそうなのでSL1が良いのですが、販売店に聞いたところ、もうSL1は入手不可らしいということで…SL2をベースにSL1相当のシートとブームを付けられないか問い合わせ中です。結果次第では、サスペンションの必要性は感じないのですが、Fujin Suspensionもありかも知れません。