POPFileを使った捗りメール処理術

毎日届く大量のメールに貴重な時間を浪費しないために、何らかの方法でメールを整理している人は多いんじゃないかと思います。スパムフィルターでスパムメールを隔離したり、宛先や件名でフォルダに振り分ける設定をしたり、結構苦労してる人もいるんじゃないでしょうか。
振り分けたら振り分けたで、チェックするフォルダの数が増えるだけでそんなに楽になってなかったり。

意味のある基準で分けないとメールの処理は楽になりません。そこで、メールに対して取るべき対応を基準に以下のように振り分けます。

  • Inbox:読んで何らかの対応を取る必要がある。これは振り分けずに受信トレイに残す。友人や会社からのメール等。
  • Info:即時対応は必要ないが内容に目を通しておく必要があるもの。
  • News:必ずしも読まなくていいが、件名を眺めて興味があれば読んでもいいもの。
  • Spam:読まないもの。

ジャンルで分けるのであれば差出人や件名での振り分けである程度対応出来ますが、上記のような基準で分けるのはとても大変です。そこでPOPFileの出番です。

 

POPFile – Automatic Email Classification

 

POPFileはスパム対策に限定しないメールの振り分けを自動で行うソフトウェアです。ユーザーが振り分けたメール内に含まれる単語の出現頻度の統計をもとに学習し振り分けを行います。面倒な振り分け条件を設定する必要がなく、振り分け精度は抜群です。POPFileはWindows、Linux、Macで動作し、POPとIMAPに対応しています。

POPの場合はプロキシサーバーとして振る舞い、振り分け結果に応じてヘッダを付加したり件名にタグをつけたりするので、そのヘッダやタグをキーにしてメーラーの機能で振り分けることになります。誤振り分けの訂正はブラウザで開くPOPFileの画面で行い、メーラー側でのフォルダの移動も自分で行う必要があってちょっと手間です。複数の端末でメールの受信をする場合はどれか一つの端末でしか使えません。

IMAPの場合はPOPFile自体がメーラーとして振る舞い、受信トレイと振り分けフォルダの内容をポーリングします。新しいメールを見つけると振り分け結果に応じてフォルダ移動を行います。誤振り分けの訂正は使っているメーラーで正しいフォルダに移動するだけです。POPFileはメールが移動されているのを見付けると振り分け結果を訂正します。常時稼働しているマシン上で動かす必要はあるのですが、複数端末で受信をする場合も意識することなく、振り分け結果の訂正も簡単に行えるため非常に快適です。

POPを選ぶ理由はないので、ここではIMAPで設定していきましょう。POPFileのために常時稼動させるマシンを用意するならUbuntuが最も安上りで簡単なのではないかと思います。VPSを借りてPOPFileを動かすのも良いと思います。このWordPressが稼動しているサーバーでもPOPFileが動いています。

#GUIのブラウザがあればlynxは不要
sudo apt-get install popfile libtext-kakasi-perl lynx
#GUIのブラウザがあれば、それでlocalhost:7070を開く
lynx localhost:7070
ヘッダメニューの"Configuration”→”Choose language"を"Nihongo"にしてApply

ヘッダメニューの”Configuration”→”Choose language”を”Nihongo”にしてApply

ここからはテキストのみで進めます。

”詳細設定”に移動

imap_enabled:1
pop3_enabled:0

で更新

”バケツ”に移動

ここで振り分けるバケツを作ります。
バケツごとに設けられているチェックボックスは全て外します。

メーラーで振り分け用のフォルダを作成

”設定”に移動

IMAPの接続情報を入力して更新
監視フォルダにどんどんフォルダを追加
バケツとフォルダの対応を設定

これで設定完了。念の為にPOPFileを再起動しましょう。

sudo service popfile stop
sudo service popfile start

あとは快適なメールライフを送りましょう。特に問題が起こらない限りはこの管理画面を弄ることはないでしょう。

 

使ってるメーラーによっては複数のフォルダに同じメールが重複することがあります。設定の”監視フォルダから移動されたメッセージを削除する。”にチェックを入れると改善されます。

POPFileをインストールしているマシンとは別のマシンで管理画面を開きたい場合もあるかと思います。そんなときは”セキュリティ”→”リモートマシンからの HTTP 接続”を”はい”にしてPOPFileを再起動します。あとはパスワードを設定するなりファイアウォールに穴を開けるなり良い感じで環境構築しましょう。特に暗号化等はされていないのでそのままLANの外に出すのは良くないと思います。私はSSHのポート転送でVPS上のPOPFileの管理画面にアクセスしています。

 

何かおかしい!メールの振り分けがされてない気がする!と不安になることもあるかと思います。そんな時は”設定”の下の方にある”<現在のログファイル>”から詳細なログを見られます。